Webサイトで一番重要ともいえる要素は何だと思いますか?写真ですか?色ですか?
答えはコピー(広告を担う文章)及びキャッチコピーです。
ユーザーを説得し行動を促すのにコピーは重要な役割を果たします。しかし、意外と多くの企業がコピーに投資したがりません。
ビジネスで利益を上げるためにWebサイトが重要であるということは多くの企業が理解していますし、ユーザーとのタッチポイントとして、もはや必要不可欠と言っても過言ではありません。しかしWebサイトのほとんどのコピーは、コピーライターが書いたものではありません。
それはなぜか?
それは「文章や言葉なんて誰にでも書ける」と誤解されているからです。
しかし、仕事でプレスリリースやドキュメントを書いているからといって、優れたWebコピーが書けるとは限りません。
さらに言うと「言葉は誰にでも書ける」かもしれませんが、「機能する言葉」は誰もが書けるわけではありません。
Web制作におけるコピーライティングの価値はまだまだ低く扱われている
先程の理由から、コピーライターが所属しているWeb制作会社というのは、実はあまり多くありません。
「誰にでも書ける」という誤解から、ライターを積極的に採用していないからです。
そのため、Web制作の見積もりに「コピーライティング費」が含まれていないケースが多く、結果としてクライアントに原稿をいただくしかない…。こういったパターンが多い印象です。
ただ、クライアントに原稿を用意してもらうのは間違いではありません。専門的な知見やサービスへの想いをサイトに反映するには、クライアントの力を借りるべきです。しかし、クライアントの原稿をそのまま反映してしまうのは、間違いであると言えます。その結果、あまりライティングに慣れていない制作担当者が、クライアント提供の原稿を基に、リライト(文章の書き直し)を行う。といったケースが多いです。
Webサイトは読み物。コンテンツ・イズ・キングである
Webサイトの世界では「コンテンツ・イズ・キング」という言葉が昔からあります。コンテンツは王様であり、コンテンツこそ一番大事だ、という考え方です。これはSNS黄金時代になり、マーケティングのデジタル化が進んでも、変わりなく言われ続けている考え方です。
コピーのクオリティ次第でサイトの離脱率・CV率は劇的に変わります。
しかしほとんどのWeb制作の現場では、未だコピーは誰が担当するのか曖昧です。たとえ担当者がコピーの重要性に気づいていたとしても誰にも頼めないので、結果自分で作るしかありません。
ライターがいないのであれば「コピーライター的思考」を採り入れよう
弊社ではWebに対応できるコピーライターは在籍しています。しかし、現実問題全てのプロジェクトにリソースを回せるほどではありません。
そこで弊社の取り組みとして、Webを理解しているコピーライターが少ないのであれば、自分たちで「コピーライター的思考」を身に付け、それぞれの役割の中で、コピーを評価し続けて良く変えていこう。という考えを採り入れました。つまり全員がコピーライター主義を掲げてプロジェクトに参加するという取り組み。
その過程で学んだ「コピーライター的思考」の一部を解説いたします。皆さんの日々のクリエイティブに活かしてもらえれば幸いです。
コピーライティングで意識した方が良い5つのポイント
1.ユーザーの疑問から始める
Webサイト制作で失敗するよくある原因の一つに「ユーザー置き去り状態」があります。どういう事かと言うと、自分がWebサイトで何を伝えたいのかに固執しすぎてしまうということです。
ユーザーはWebサイトを訪れるとき、何かしら疑問を持っています。しかし私たちは自分たちの製品やサービスがどれほど素晴らしいかを伝えることに時間を割いてしまいます。ユーザーの疑問に答えられない結果、彼らは別のWebサイトを探して離脱してしまうでしょう。
ユーザーが何を解決したいのか、どんな疑問を持っているのか。まずはユーザーの理解から始めることが重要です。
2.メリット(機能)ではなくベネフィット(得)に焦点をあてる
私たちは製品の機能をアピールするのが大好きです。
「この製品の魅力は何ですか?」この質問をするとほぼ大半の人が機能について語り始めます。
コピーライターは、ほとんどの人が製品の機能を気にしていないことを知っています。ユーザーが意識しているのは、機能自体ではなくそれらの機能がもたらすベネフィットです。
さらに優秀なコピーライターはただベネフィットを羅列するだけではなく、説得力のあるストーリーの中にベネフィットを上手く織り交ぜています。
3.ストーリーを伝える
現代は物語の時代=共感の時代です。優れたストーリーは私たちを魅了し、引き込みます。
物語を聞くと、人間の脳はまるでそれが真実であるかのように反応することが、最新の調査で明らかにされています。まるで自分がその物語を体験しているかのように反応するのです。
製品やサービスのポジティブなストーリーを共有すること。言葉を駆使して、製品やサービスを利用したらどうなるのかを語ることで、ユーザーにそのストーリーを共感してもらい、興味を持ってもらえるようになります。
4.人間の心理を理解している
コピーに心理学を採り入れるのも効果的です。
希少性の原理や社会的証明、フレーミング効果といった技術を活用してみましょう。それらの技術を使うことで、望んだ結果にユーザーが近づくよう働きかけることができます。
基礎的な人間の欲求をストーリーに織り交ぜる方法を知るには、心理学の理論をしっかり把握しなければいけません。
5.引き際をわきまえている
私たちはコピーを書くときに、ついつい誇張した表現をしてしまう傾向があります。誇張した表現は良くない結果を生んでしまう可能性があります。例えば「必死さが透けて見える」「クドさが出てしまう」など。大事なことは、いつユーザーへの説得をやめるべきか把握すること。必要以上に繰り返し説明をすることが、ユーザーにマイナスな印象を与えることを理解しましょう。
まとめ
コピーについてはまだまだ語りたい事が沢山あります。
優れた見出し、優れたキャッチコピーについて、SEOライティングやセールスコピーについて。
言葉の力は絶大であり、それゆえ奥が深いです。
大事なことは「どんな相手に届けたい言葉なのか?」ということ。常に目的は「相手目線」であり、「相手」に「行動」または「魅力」を伝える言葉にするには?を考えること。
コピーライティングの本質とは「人を知る」ことになります。人を知り、人の理解を深める力を備えることが、質の高いコピーライティングが身に付く近道となります。